おはようございます。鈴木です。


 みんな知っていて当然、なんて思ってしまうけれど、意外と知られていないのだろうか。

 静岡県の公立高校入試のしくみ。

 入試の第1段階では、最大で85%の合格者が決まる。

 つまり、ほとんどはこの段階で合格が決まるのだ。

 その決め方が恐ろしい。

 内申先行なのである。

 どういうことか?

 内申点の高い順に並び替えられ、定員に達した時点の同立内申点以外は、選考から除かれてしまうのだ。

 この時点で、自分の内申点が定員内に収まっていなければ、この段階では不合格扱い。

 つまり、内申点がなければ当日のテストの出来がいかによくても、ここでは見てもらえないまま、不合格となるのだ。

 この事実を知らないでいられるのが信じられないのだが、まだまだ知らないで日常を送っている子どもたちがいるようなので、さらに恐ろしくなる。

 世の中には、知らないことが罪、と言われるような重大事項がある。

 これはそのひとつかもしれない。

 知っていて過ごす3年間と、知らずに過ごす3年間とでは、意識が雲泥の差になるように思う。

 なぜなら、危機意識を持ちながら過ごすと、居ても立っても居られなくなるからだ。

 つまりこの場合だと、内申点を上げるための行動をせずにはいられなくなるはずだ。

 しかし、現に、上記のことを知らずに明倫館に来る子どもたちがいる。

 中1だったらまだいい。

 中2は少し遅かったな。

 中3だったら最悪だ。

「何でもっと早く知らせてくれなかったんだ!」と憤る者もいる。

 自業自得だ。
 
 しかし…、周りにこのようなことを正しく教えられる環境がなかったことは、確かに不幸なことではある。

 明倫館では、そういう子はひとりも出さない。

 知っておいたほうがいいことは、正しく教える。

 伝え方が大事なのだ。

 資料を持ち出して伝えたって、何も伝わりはしない。

 その子の目を見て、心に訴えなければ、意味がない。

 響くものがなけりゃ、行動ひとつ変わりゃしないんだ。

 明倫館にいて幸運だった。

 そう思ってもらえるよう、今日もまた、大切なことを子どもたちに訴えていく。

 ひとりでも多く、自ら動き始める子どもがあらわれると信じて。