おはようございます。集団指導室長の鈴木です。

 なぜかはわかりませんが、子どもたちから「先生の好きな映画は何ですか」と聞かれることがあります。何本か候補にあがるのですが、いつも回答に窮してしまいます。そのため、自分が子どもの頃に好きで、なおかつ現在の子どもたちも好きそうな映画をあげて誤魔化してしまうのですが、本当は以下の映画をあげたいと思っています。

 私の好きな映画は「ゴッドファーザー PART Ⅱ」です。

 ドン引きでしょうね(笑)。ドンだけに…。

 高校生のときに初めてシリーズを鑑賞したのですが、登場人物が多く、情報量もあるため、「何が面白いんだろう」と思ってしまいました。

 それでも名作と言われるゆえんを知りたく、大学生のときに改めて見返してみたのですが、まさに目から鱗でした。登場人物の関係性や映画の構成が理解できたことで、非常に深い物語であることが知覚できたのです。なにより感動したのは、マフィアを描いた物騒な話であるのに、映画の根底に流れているのは常に「家族愛」だったということです。

 大事な仕事の席でも気になってしまうのか、ブラインドの隙間から外にいる三男の姿を眺めるドン・コルレオーネ。肺炎にかかった次男を本当に心配だという表情で見守るが、落ち着かないドン…。人殺しに手を染めている人々であるのに、いや、だからこそ、なのかもしれませんが、そういった些細なシーンに人間味を感じ、共感してしまうのです。

 「ゴッドファーザー PART Ⅱ」で特に好きなシーンは、失職した直後のヴィトー・コルレオーネが帰宅した際、妻には何も語らず、ただジャガイモをテーブルにおき、キスをするシーンです。仕事がなくなったことには全く触れないのです。その力強さ。若き日のロバート・デ・ニーロが格好良すぎます。

 このPART Ⅱでは、父ヴィトー・コルレオーネと子マイケル・コルレオーネの対比が見事です。ヴィトーのもとにはどんどん人が集まる。マイケルのもとからはどんどん人が去る。連帯と孤立の物語なのです。初めはクライマックスがなぜああいう形でしめられるのかわかりませんでしたが、気づけたときには鳥肌が立ちました。

 ゴッドファーザーは知覚できるまでに時間がかかる映画かもしれませんが、できたときには「無駄なシーンが全くない!」と深い感動を味わえます(ただし、PART Ⅲは評価がわかれそう…)。10代、20代、30代…と、これからも各年代で度々見直しては新たな気づきを得られるだろうと楽しみにしています。私にとってはこの作品以外にそうした楽しみ方ができる映画はありませんので、出会えて良かったと思います。

 ただ、全体の構成が把握されるまでは時間がかかる点や、一昔前の男社会が描かれていますので、今の子どもたちからしたら「?」となる可能性が高いと思い、オススメはしておりません(笑)。わかってくれそうだな…という子にはこっそり教えていて、絶賛してくれたので良かったとは思いますが…。女性が虐げられるようなシーンは、時代性もあるとはいえ、現代の感覚からは面白く感じられないですね。

 以上のように、なかなか現場では子どもたちに上手く伝えられないことを文章化しておくことにします。説明に困ったときに、このブログを見てもらうとしよう(笑)。

 ちなみに、子どもたちに向けては「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズや「紅の豚」が好きだね、と現場では話しています。誤魔化すためとはいえ、これらの作品が大好きなのは本当なので。特に「紅の豚」はもっと評価されても良い気がする…。

 福島県にある大内宿です。映画のロケ地としても使われています。有名な眺めの写真は、容量が大きいとかで今回もはじかれました。無念。