議員に対する、ある政治家の発言。

 「おまえみたいな恵まれた二世議員には分からんだろうが、この世のなかで圧倒的多くの人は"ゼロからの出発"を余儀なくされている。孤立無援、誰も助けてはくれない。しかし、叩かれ、騙され、突き落とされて這い上がるなかで、だんだんと地に足がついてくるんだ。人との距離と間の取り方、情とは何か、人への気配りもまた自然と身についてくる。このあたりがダメなのが、おまえのようなボンボンということだ。いくら上手を言っても、選挙民は馬鹿ではない。人物を見抜かれてしまう。

 "ゼロからの出発"は失うものが何もないから、ひたすら前進あるのみでいいんだ。若さは常に直情径行、失敗してぶっ叩かれ、初めて気づく。むしろ、感謝すべきじゃないかね。人はしょせん一人で生まれて、一人で死んでいく。おまえもそのあたりを心して、いまの恵まれた立場を見詰め直してみろ」

 庶民と政治家の乖離は、今なお深い。人々に寄り添う、身近な政治家が必要だ。