さんが、NHKの「スイッチインタビュー」に出演されていました。ビートたけしさんとして出されている『たけしくん、ハイ!』『少年』『菊次郎とさき』『やっぱ志ん生だな!』などの作品を読んだことがありますが、武さんはお笑い芸人としてだけではなく、色んな顔のある方だなと感じていました。番組では、2020年にビートたけしさんが出された『弔辞』の内容が引用されています。
私が本当にやりたかったことはお笑いではありません。お笑いは二番手でした。いまでも、ノーベル賞を受賞した科学者を見ると嫉妬します。
学者に憧れがあったようなのです。
以前、TV番組によく出られていた頃は、何を発していても心ここにあらず、というような雰囲気があったように思います。しかし、この番組の武さんは本当に楽しそうで、まるで子どものようでした。
番組の途中、武さんが「人間が考え出した数学って正しいのかな?」と話されていて、慧眼だなぁ…と圧倒されました。対談者の村山斉さんも「それはすごくいい質問で、実際ノーベル賞をとった物理学者のウィグナーっていう人も、そういう論文を書いてるんですよ。何で人間が作ったはずの数学が宇宙の理解に役に立つことがあっていいのかと。不思議じゃないかって」とおっしゃっていました。現在の数学はまだわかっていないことも多く、氷山の一角に過ぎないようです。その認識に至ると、「謙虚になりますね」と村山さんが話されています。学問に終わりはない、ということでしょうか。でも、そこにロマンや魅力がありますよね。
子どもたちは、終わりがないことを目の当たりにして、絶望感を抱いてしまうことがあるようです。コンプリートできないのなら、いいや。というような感覚なのでしょうか。
しかし、予定調和であることや初めから終わりがわかっていることほどつまらないことはないでしょう。未知のことに出会ってこその人生。わくわくどきどきはそこから始まると思うのです。それが生きるってことなんじゃないかと、番組をきっかけに思わせて頂きました。ちなみに、番組のEP2は明日金曜日(10月4日。再放送は7日)に放送予定です。気になる方はぜひ。
果てしない。岩手県花巻市にて撮影。右のひらがなは、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の詩の一部です。どの部分かわかったらすごい!