こんにちは。集団指導講師の鈴木です。

 巡回展「石岡瑛子 I デザイン」を見てきました。

 石岡さんのポスターも凄いのですが、個人的には、石岡さん直筆のメモ書きやメッセージに刺激を受けました。生き様に肉薄できる思いがしたのです。

 メッセージの一例をご紹介したいと思います。

「瞬発力と集中力と持続力を身につけて、知性と品性と感性を磨く。磨いて、磨いて、磨きつづける。あるとき、ふっと深い霧が晴れるように、何かが少しだけ見えてくる」

 遊びや仕事に勉強と、何にでも通じる感覚なのではないでしょうか。しかし、何にでも通じるこの感覚を、例えばゲームなどで実感できる子どもは多いのに、それを勉強に応用できない子どもも多いように感じるのです。

 ゲームと勉強は別物、という発想でもあるのでしょうか。

 また、GW明けに退職代行を使い、仕事を辞める社会人も多いと聞きます。何年か勤めて初めてわかることがある、ということを体感したことがないのでしょう。

「頭の中で考えてばかりいる人間が増えすぎていやしないか?」と思うのです。

 小・中・高の学生と接していると、私たちのときと比べて、弁が立つ子どもが多くなっているように感じます。そのくせ、話を掘り下げていくと、実際にやったことはないことについて偉そうに話している、ということがよくあります。ちょっと嫌味っぽく言ってしまってスミマセン(笑)。でも、本当に多いんです。

 経験に裏づけされていない、ニセモノのロジックが横行しているように思われるのです。これが今後の世の中にどのような影響を与えるのか。今の若者が社会に出る十年後、二十年後がどのようになっているのか。つい、長期的な目線で妄想を膨らませてしまいます。

 しかし、危機感をもつ一方で、明るい話が多いのもまた事実です。

 先日、ある高校生が私に「このマンガが面白いよ」と紹介してきました。その子が言うには、今人気だとのこと。帰宅後、ふとそのことを思い出し、検索してみると、何とナントの難破船(元ネタがわかるでしょうか…)、明倫館の卒業生が描いていたマンガだったのです!

 有名無名に関わらず、このようにして世の中で頑張って働いている卒業生が数知れずいるのだろうなぁ、としみじみ感じました。

 最後に、石岡さんのメッセージをもうひとつ、ご紹介したいと思います。

「デザインに男も女もない。自分が女性であるから女性的なるものを活かした表現をしようなんて、まったく考えたことがない。“石岡瑛子”に裏づけられた表現をしたい」

 最後は、自分次第なのです。