こんにちは。集団指導室長の鈴木です。
小学生のとき、歴史の授業で第二次世界大戦について学びました。戦争の悲惨さを学んでいくうちに、ある疑問が浮かんできました。
「戦争って、今の日本でも起こるのかな?」
当時の私は何も知らない子どもだったので、先生にそのことを質問してみました。とくに、将来、兵隊として戦争に行かなければならないのかどうかを熱心に尋ねました。
死にたくなかったのです。
この頃の私は、いじめられていた2年間を脱し、生きることがとにかく幸せだと感じられていたときでした。ですから、なおさらこの幸せな時間が終わる可能性があることに危機感を感じたのです。
現代の日本では徴兵されることがないことを知り、大いに安堵したことを覚えています。日本が戦争放棄の道を歩んでくれたことを、心から喜びました。
たくさんの犠牲の上に日本は平和になり、私たちは生を授かりました。
そのことを忘れることはありません。
今年の5月、長崎の原爆資料館を訪れました。吉田勝二さんという方の、被爆当時(13歳)の写真が展示されていました。顔中にケロイド(みみず腫れのような皮膚の赤い盛り上がり)が広がり、そのために差別を受けたようです。
平和の原点は、人の痛みがわかる心をもつことです。
吉田さんのメッセージです。
私は、余裕がないときに人の痛みがわからなくなることがあります。だからこそ、現地でこの言葉が一番響いたのだと思います。
自分は出来た人間ではない。だから、そんな自分を少しでもよくしていきたい。
これからも変わり続けようと思えました。
昨日の集団指導でも話しましたが、他人を変えることはできません。ならば、自分がどんどん変わっていくべきなのです。
戦争で、いやがおうにも変わらざるを得なかった人々がいたのだと思うと、「自ら変わっていこう」という勇気が湧いてきます。
ひとりでも多く、そう思える人が増えれば、やがて国自体が変わります。先人たちも、そのことを望んでいると思います。そして、日本から全世界が平和になる日を築いていく。戦争を放棄した日本だからこそ、その役割を担えるのではないでしょうか。
山王神社の、被爆した鳥居です。奇跡的にこの部分だけが残ったようです。私たちは、こうした戦争の遺物を代々残していけるのでしょうか。戦争の記憶が段々と子どもたちから薄れている現状を思うと、やがてはどうなってしまうのだろうと、危機感を抱かずにはいられません。戦争を経験した人は、いずれいなくなります。私たちは、当事者がいなくなることがどういうことなのか、よく考えなければならないと思います。