おはようございます。集団指導室長の鈴木です。
2023年7月19日に投稿した「ことば」の回で、山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』について触れました。あのとき以来、いつか観たいなと思っていましたが、先日土曜日にようやく鑑賞することができました。
Blu-ray Discを購入して鑑賞したのですが、観ているうちに、そのパッケージに結末が載っていたな、ということに気づくのです。
結末がわかっていると面白くないという作品はよくありますが、この作品はそうではありませんでした。
過程が面白いのです。
当時俳優デビューであった武田鉄矢さんは演技がめちゃくちゃで、落ち着かない感じなのですが、なんだか目が離せない(笑)。山田洋次監督がおっしゃっているとおり、演技はめちゃくちゃだけれども、人間味がある。いくら演技が上手くても、そういったものはなかなか出せないというのです。
この作品は高倉健さん、桃井かおりさん、武田鉄矢さん演じる3人のロードムービーなのですが、最初はぎくしゃくしている関係が、結末に向けて徐々に縮まり、ひとつにまとまっていく物語になっています。はじめは物のように相手を扱っていたのが、互いを知っていく中で、段々と相手を尊重していくという過程がよく描かれています。だから、結末がわかっていても感動する。やはり、過程が大事なのだなと改めて感じることができました。
勉強に関しても同様だと思うのですが、なぜか点数などの結果ばかり見られてしまう風潮があるように感じてしまいます。だから、いつまでも過程がよくならない。結果は一面にすぎないと思っている子は、やはり過程が安定しており、ゆえに結果も安定しています。
点ではなく、線をイメージした学習ができるか。このことは勉強だけではなく、どんなことにおいても大切な本質だと思われます。
黄色な写真はないかなと探していたら、菜の花の写真がありました。以前東北縦断旅行をした際に立ち寄った、長野県飯山市小沼です。道の駅、花の駅千曲川の近くにある場所ですね。
『幸福の黄色いハンカチ』は、後半になるに従い、段々と黄色が映像に登場するようになります。粋な演出ですね。