こんばんは。集団指導室長の鈴木です。

 『世間とズレちゃうのはしょうがない』という、養老孟司先生と伊集院光さんの対談本があります。今年6月22日の投稿でも触れた養老孟司先生の物言いが私は好きで、今回も本を読ませて頂きました。

 その中で興味深かったのが、都市は人間の意識で考えられたことに基づいてつくられた場所であるため、自然はその中では「扱えないもの」として排除されるという話です。都市に住む現代人は、感覚を通して世界を受け入れない。意味を持った情報を通して世界を理解する。自然に意味はないから、そういう分からないものは都市から徹底して排除しようとする。端的に記すとそのようなことが書かれていました。養老孟司先生の言葉は、私たちに気づきを与えてくださるような気が致します。

 周りを見渡してみると、確かに人間にとって過ごしやすいものたちであふれています。しかし、第1次産業の職に就く人が大幅に減っているように、私たちは今年9月16日の投稿で見られたような生き方が一般的ではなくなってきていることにも関心がないようです。このまま人間のやりやすいようにやっていっていいものか。養老孟司先生は、次のようなこともおっしゃっています。

 人の意識は自らを主人公とする。意識がすべてを支配していると思っている。

 言うまでもなく、人間は地球、果ては宇宙の一部でしかありません。人間中心主義のような考えは傲慢ですが、私たちはその思い込みからなかなか脱することができないでいます。近年の自然の猛威を見ると、私はいつも「人間が好き勝手やり過ぎたのかもしれない…」と思ってしまいます。私たちは、自然と上手く付き合っていく術や習慣を生きるようにしなければならない転換点にいるような気がしてなりません。

 よい天気。今年は晴れの日がいっとうありがたく感じられます。