明倫館塾長ブログをご覧頂き誠にありがとうございます。明倫館塾長の永倉です。

授業をしていると、どうしても「説明する側」に熱が入ってしまう時があります。気づけば一人でしゃべり続けて、生徒の目が泳ぎ始める…。学習塾の先生なら、誰もが一度は経験したことがあると思います。そんな時に、私が意識して使っているのがクローズドクエスチョンです。「はい・いいえ」で答えられる。「AかBか」で選べるなど、ただそれだけの質問なのに、授業の流れがピタッと締まるのです。

1つの質問が、生徒の意識を今に戻す

たとえば、こんなふうに使います。「ここまでで不安なところある?」「この式、合ってると思う?YES?NO?」「次のステップは代入でいいよね?」テンポよく投げかけると、生徒は考えるモードから一旦整理するモードに切り替わります。大げさじゃなく、空気がスッと変わるんです。さっきまでぼんやりしていた生徒の目が、またテキストに向き直ります。クローズドクエスチョンは、授業のハンドルを握り直すための小さなスイッチなのです。

「考えさせる」と「締める」は別の技術

私はは授業をするとき、いつもオープン(思考を深める) → クローズ(整理して締める)という流れを意識しています。たとえば、①「この問題、どうやって考えた?」(オープン)②生徒の意見を聞く「じゃあ、この場合の符号は?プラス?マイナス?」(クローズ)「じゃあ、この場合の符号は?プラス?マイナス?」(クローズ)この流れがうまく回り始めると、頭の中の霧が晴れるように理解の形が整っていくのです。考える時間はもちろん大事ですが、最後に「これでいいんだよね?」とカチッと方向性を決めてあげる時間が必要なのです。

面談でも使える、小さな魔法

実は、クローズドクエスチョンが本当に力を発揮するのは、授業だけじゃありません。生徒面談のまとめにも使えます。面談の内容があっちこっちに飛んだまま終わると、本人も「結局なにするんだっけ?」となりやすいんです。そんな時、最後にひと言。「じゃあ、次のテストまではワーク3周でいこうか?」「今週は自習室に3回来るってことでOK?」この確認のひと言が、生徒にとっては次の一歩のスタートラインになります。明確さは安心につながり、安心は行動につながります。これは塾長として長く教室を見てきて、本当に実感していることです。

質問ひとつで、学びの質は変えられる

クローズドクエスチョンは、決して単なる「はい/いいえ」の質問ではありません。

・授業のテンポをつくる・理解度をつかむ・自信を与える・次の行動を決めるなど、多くの効果を持った、学びを前に進めるための問いなのです。これからも授業の中で、面談の中で、丁寧に問いを投げかけながら、生徒一人ひとりの成長を支えていきたいと思います。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

明倫館

塾長 永倉秀樹

TEL:054-204-3911(明倫館本部教室)

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