こんにちは。集団指導室長の鈴木です。

 夏期講習が近づいてきました。学習塾としては、勉強に注力してほしい気持ちがあります。しかし、そればかりでは人としての”幅”が広がらないと思います。読書や散歩、イベントや旅行などを通じて色んな世界観に触れて多様な価値観を持てれば、一生の宝物となります。仮に勉強ばかりをする夏になった場合、結果が伴わなければ立ち直れないくらいがっかりしてしまうと思います。「自分はこの夏、何のために頑張ってきたんだ…」と思ってしまうことでしょう。つまり、あることに特化しすぎると、ちょっとしたことで大きくつまずいてしまう可能性も大きくなってしまうのです。だからこそ、あらゆることに触れて刺激を受け、人間としての”幅”をもつことができれば、結果的に勉強も上手い方向に転がっていく可能性が高くなります。特に受験生にとっては「勉強以外のことは完全シャットアウトだ」と思い込みやすい時期ではあります。でも、勉強漬けの毎日なんてそうそうできるものではありませんし、何より広がりがない。「あれ、数学で学んだことって、人間世界に置き換えるとこういったことと似ていないか?」というようなことに気づいていけるようになれば、学んだことや体験したことが次々と関連づけられ体系化され、どんなことをしていてもあらゆることに結びつけられる人間になっていけると思います。それが真の勉強なのではないかと感じています。

 人間としての”幅”をもつこと。それは閉鎖的な環境からは生まれないものです。徳川家康も「過ぎたるは及ばざるがごとし」と遺訓を残しています(論語の影響かもしれませんが)。つまり、やり過ぎるのは及ばないのと何ら変わりがないよと言っているのです。何事もほどほどに。中庸(ちゅうよう。かたよらないこと)を目指しましょう。これは妥協ではありません。バランスが大事なのです。

 みんながこの夏、いい笑顔で過ごせますように。

 

青森県の岩木山と鶴の舞橋です。鶴の舞橋はひばでつくられた木造の三連太鼓橋と言われます。このタイプでは日本で一番長いらしく、全長は300mあります。”幅”は3mです(笑)。橋を渡ると長生きができるとも言われているそうです。現地で見ると、とにかく美しくて圧倒されますよ。