明倫館塾長ブログをご覧頂き誠にありがとうございます。明倫館塾長の永倉です。

勉強していて、なぜかあるページだけ頭に残っている。授業中、先生が何気なく言った一言がずっと印象に残っている。そんな経験、ありませんか?これは、心理学でいう孤立効果(フォン・レストルフ効果)が働いているのです。人はたくさんの情報の中で、『他と違うもの』ほど強く記憶に残す傾向があります。つまり、目立つことには、ちゃんとした意味があるのです。

「違い」が脳を刺激する

人間の脳は、同じような情報が続くと飽きてしまいます。でも、そこに少し違う刺激が入ると、脳は『これは重要かもしれない』と判断します。たとえば、板書の中で赤いマーカーが使われている言葉。他とは違うフォントや、先生の独特な口調。その『違い』があるだけで、情報が記憶の奥に刻まれやすくなるのです。明倫館の授業でも、重要語句は色を変えたり、線で囲んだりします。『そこだけを特別扱い』することで、自然と意識が集中します。視覚と聴覚の両方を刺激することが、孤立効果の真骨頂です。

『特別な声かけ』が子どもの心を動かす

孤立効果は、勉強の工夫だけでなく生徒指導にも生かせます。例えば、普段あまり発言しない子が勇気を出して手を挙げたとき。その瞬間に「今の意見、すごくいいね!」と一言をかける。それだけで、その子にとって教室が特別な場所になります。全員を平等に見ることは大切です。でも、誰かの努力や成長をピックアップして光を当てる瞬間があると、子どもの心に深く刻まれます。そして不思議なことに、その光を見た他の生徒たちも、「自分も頑張りたい」と思う。特別扱いが、教室全体の空気を明るく変えるのです。

目立つ仕掛けは努力のご褒美

孤立効果は、「見せ方」だけでなく「気づき方」にもあります。ノートが丁寧になった、宿題の提出が早くなったなど…。そんな小さな成長を見つけて、具体的に言葉にする。「この前より、漢字の形がきれいになったね」「最近のノート、色の使い方がうまくなった!」こうした具体的な言葉は、生徒の脳に強く残ります。それが自信という形になり、学習意欲へとつながっていくのです。

違いを生む先生が、印象に残る先生になる

孤立効果は、生徒だけでなく講師にも当てはまります。ただ淡々と教えるよりも、声のトーン、間の取り方、表情に変化をつける。ほんの少しの違いが、授業の印象を大きく変えます。教育は、情報の伝達ではなく記憶の設計なのです。どうすれば生徒の心に残るかという工夫の積み重ねが、学力を育てるのです。

目立たせるとは、派手にすることではありません。『心に残る瞬間をつくること』です。教室の中で、ひとりひとりが輝ける瞬間をどう生み出すか。そこに、教育の本当の面白さがあるのかもしれません…。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

明倫館

塾長 永倉秀樹

TEL:054-204-3911(明倫館本部教室)

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